
始めに
この話は、私が榊原記念病院で心臓外科医として歩んだ、20年間の経験の一部をスケッチ風に記したものである。中身はすべて私自身が実際に見聞きし、また行ってきたことであるが、多少我田引水的な表現があるかもしれない。また登場人物は話の進行上、止むを得ず実名を使わせていただいたところがある。記述には十分配慮したが、好ましくない表現があればご指摘いただきたい。
私はこの40年余、榊原仟先生の心臓外科学を学び、実践してきた。最初の10年間は、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所榊原外科(心研)で研修と研究そして臨床を教わった。次の20年間は榊原記念病院で手術を中心に、まさに八面六臂の働きをした。続く10年は千葉県循環器病センターのセンター長として、榊原先生の教えを広めることに努めた。そして現在、最後の何年かを自らの医院を立ち上げ、一所懸命に力を注いでいる。
1. 東京女子医大時代 2. 榊原記念病院時代 2.1. 榊原記念病院に勤める 2.2. 丸J企業プロジェクトチーム 2.2. 榊原記念病院の開院 2.3. 日の出 2.4. 榊原記念病院心臓病専門研修制度 2.5. 榊原仟先生の死 2.6. 手術システムの改良 2.7. ヨーロッパの医療視察 2.8. 二度目のヨーロッパ医療視察 2.9. 手術室の改良工事 2.10. 手術数年間400例の達成 3.1. 本の出版 3.1. オランダでの出来事 3.2. オランダでの出来事 3.3. オランダでの出来事 リフレッシュ休暇. ストーンヘンジとネス湖 リフレッシュ休暇. リスボン 3.4. 研究室の設置 3.5. 病院の若返り 3.6. 乳児の無輸血開心術 3.7. 手術室の責任者を降りる 3.8. 大学教授選 3.9. 大学教授選と同級生からの電話 3.10. 榊原記念病院を辞す